REHEARSAL

二階席から眺める劇場は、舞台を見上げる感覚とは違い、どこかお人形で遊んでいるかのような感覚である。今日はオペラのリハーサルを見に行って来た。ドレスリハーサルとは違い、突然舞台が止まり、突然音楽が止まる。指揮者が腕お上げ、オーケストラがメロディーを奏で出す。役者が板に着き、観客は劇にのめり込んで行く。が、突然音が止まり、止まっていた時計の針が動き出すように、役者は私たちのように動き出し、身体をのばし、隣人と話し出す。『え?!』いやいや驚いた。本当にリハーサルだ。舞台では指揮者の指示が飛び、袖幕から大道具が梯子を持って登場する。どこかで見覚えのある風景『オペラ座の怪人』にもこんなシーンがあったな?そしてまた同じシーンを繰り返す。繰り返す、繰り返し、良くなって行くのが解ってくる。何かが出来て行く瞬間というのは面白い。まるで花がつぼみを開かんとするようで。本を読んだ事のない自分が言うのもなんだが、本を読み進めて行くような楽しさがある。今回の演目はワーグナーの『LOHENGRIN』今回、歌の重厚さには、眠気を吹っ飛ばされてしまった。