Donald Judd

今ミッドタウンで、4月3日〜5月9日までドナルド・ジャッドの展覧会?が行われています。画家として出発して、平面作品を通して、絵画的な空間の無限性への試みを行い、60年代初頭からは自立した3次元の作品を製作し始めました。その後64年には、ハンドメイドから工場製作へと移行して行く訳ですが、今回の展示にはパイプを使った初期の作品からスタックやプログレッションまでと、数多くの作品が展示されています。そしてパイプの作品は(直角に曲がったパイプの付いた作品)彼の考えがよく見えて来る作品ではないでしょうか。
そして実は今回展示されている作品計36点は、5月のクリスティーズコンテンポラリーアートオークションで売りに出されます。そのためすべてに値段が付いている訳です。結果によっては24億円は超えてしまうのではないのでしょうか?この春のセールはまさにジャッド祭りのようです!
それにしても良い展示である事には変わりありません。今回ジョッドの作品を見て感じたのは、彼は空間をコントロールした作家であり、彼の作品は物体としての曖昧さを極限までなくす事で、強く存在が浮上していると実感出来た事。また多くの美術館とは違い、自然光で展示している事は、ジャッドの作品理解には欠かせない事であると同時に、彼の考え方やスタイルは現在のDIAやロンドンのテイト・モダンに引き継がれているようにも思います。
アートスペースというものを考える時、物体や空間としての色彩や存在感を消す事は、強く存在が浮上するが、無名色な空間でもある。そんな空間のあり方を私は信じています。いつか彼のテキサス州マーファのようなスペースをいじってみたい♪