何かが変わってしまった日

日本の歩む先

サザビーズで今朝10時から『アジアンコンテンポラリーアート』のオークションが行われた。今期なおも注目されていたと思われるセールには、沢山の人が会場に足を運び、電話応対は異例の2列体制で行われた。そして10時前に会場に着いたものの、既にほとんどの席は埋まっていた。そして訪米系が半数を占める風景と立ち見をする人たちが目立つなかオークションは始まった。
早速最初の作品でエスティメイト$15,000〜$20,000を遥かにこえて$65,000で落札され、その後も中国人作家の作品が高額な落札と多くのビットが続き、LOT.119『Zhang Xiaogang』の作品でも多くのビットが集め、$400,000を超えたあたりから会場の白人男性とアジア系男性が争う形となり、最終的に中国人と思われる男性が$860,000($979,200)で落札し、会場からは拍手が起こった。午後になり午前ほどの勢いは無いにしても高額な落札が終始続いた。その状況のなか日本人作家は勢いの無さを存分に見せてくれた。
結果、今まで香港で行われて来た今回のオークションは『ニューヨーク』で大成功という形になったと同時に、今後のアジアのアートシーンは『どこが中心』かと言う事が決まった。今回最高額を付けた『LOT.119』は約一億円の値を付けた。この値段の意味は非常に大きい。しかし『作品の質』これは決して落札額とイコールではないと思う。それでも『値』が付くのは、中国人社会の『規模・構造』そして『お金の価値観』が支えている事と、早くから中国に投資参入していたヨーロッパ系のギャラリーやアメリカのディーラー、そこから生まれたコレクター達によって起こるべくして起こったのだ。これは今後ますます世界は『バブル』という現状を非常に注意して観て行かなくてはならない。
また今回の作家を観ると1960年代生まれが目立つと同時に作品が制作された年が最近である。例えばLOT.60『Yang Shaobin』の作品は去年10月に制作されたものと記載されている。それにも関わらず$115,000の値が付いたのだ。ここから作家とビジネスの強い関係が見える。しかし日本の作家やコンテンポラリーギャラリーで、このような事が新作で起こりうるだろうか?今後の日本人作家・コンテンポラリーギャラリーは非常に厳しい状況に立たされて行くだろう。が、、、チャンスでもあるはずだ!
今回の事もあり、今度の香港クリスティーズの結果が気になるところだ。そして次回の11月のメインセールはどんな顔ぶれになってしまうのか!?
つづく、、、