Lower East Side

wd~50

ここ数年の急成長が目覚ましいローワーイーストサイド。少し前までは悪い噂が絶たなかったそうだが、(いわゆるアルファベットアベニュー)今やオシャレな地域となっている。若者たちが移り住んで来た一方で、昔はヒスパニックハーレムと言われただけの事はあり、今も変わらず生活を送るヒスパニック系住民が多く暮らしている。その影響かマンハッタンの中でもかなり物価が安いのだ。例えば最近の事なのだが、SOHOで500mlのミルクを買った時$2.50もしたのだが、このエリアで買うとたった$0.99なのだ。これは生活用品にも同じ事が言える。しかしこのエリアのレストランは違い、逆にSOHOよりも高くついてしまう。しかも三ツ星以上のレストランがほとんどで、住人には手の出ない値段だ。その代わりに真新しい物好きのニューヨーカーたちはこぞってやって来る。その中でも味と斬新さで目につくのは『wd~50』このレストランは『ミシュラン』のレストランランキングで唯一このエリアからランク入りした。そしてここのオーナーシェフ、Wylie Dufresneはジャンジョルジュでシェフを勤め、今ニューヨークで注目のシェフ10人などにも選ばれていた。またローワーイーストサイド流行の火付け役の一人でもあった。
彼はまだこの地域が不安定な頃に、72 Clinton にレストランを開いた。そしてレストランは評判を呼び多くの人が訪れるようになったその頃から回りに次々と新しいレストランやcafe、またセレクトショップやクラブも出来て行ったのだ。その後彼は斜め前に2軒目となる『wd~50』を始めた。
料理はアメリカンコンテンポラリーで、日本食の盛付けや味のバランスに共通する物を感じる。また素材の組み合わせがとてもユニークで一度『目玉焼き』が出た事があった。実際は目玉焼きではなく黄身の部分はキャロットスープをゼラチンで包んだとても高度なテクニックなのだが、その見せ方には食事を飽きさせないセンスが見える。もうひとつ楽しませてくれるのが『オープンキッッチンスタイル』で、食後にはキッチンに入って間近で料理の出来上がる瞬間を見る事も嬉しい所だ。ちなみにおすすめとしては、白身魚の料理と『sunny side up』をお薦めしたい。お肉を使った物には物足りなさを感じる味で、(メニューで想像が付いてしまう)味付けの難しい白身魚は、シェフがどのように調理するかという点で楽しめる。。。
ローワーイーストサイドは去年大掛かりな映画の撮影も行われ、ますます人の訪れるエリアになりそうである。そしていつの日かSOHOのようになる日もあるのだろうか?
ないだろう。