大きな見本市

Tavares Strachan

大型冷蔵庫のようなエレベーターに乗りThe Armory Showへ。外も暖かいが、会場も熱気でむしむしてしている。予想通りの混みようのなか人を避けつつ入って最初に見たのは、ロンドンのVictoria Miro GalleryこのギャラリーはThomas DemandやRaqib Shawなどを扱う大御所と言える所、しかし展示されているのはAlec Neelなど少し時期はずれな作家。それとは対照的に同じロンドンのWhite cubeはJake and Dinos Chapmanがゴヤの版画に手を加えたものや、Damien Hirstの薬瓶など旬なものばかり!それぞれのギャラリーの戦略・顧客の傾向もあるのだろうが、『今更』と言う作品をよく目にした。それでもKim KeeverやJack Piersonなどが見れた事は嬉しかった。そして唯一中国からの参加だったCourtyard Galleryは『20年前ならね!』と言うのが率直な感想だ。それから今回『いくつ村上隆の作品が展示してあるか』なんて事もしてみた。結果は一つ!展示していたのは韓国で1,2を争うKukje Galleryちなみに奈良さんは小山登美夫ギャラリーにあったのみだった。二日目と言う事で、正確な情報ではないにしろ、アメリカの取り扱いギャラリーであるBlum & Poeにも展示されていない。去年あれほど見た村上・奈良系はほとんど見る影もなくなっていた。
そんな中ギャラリーとして面白かったものとしてはブルックリンのPIEROGIだ。唯一グルックリンからの参加で、作家の間でも人気のあるギャラリーである。展示している作品も面白く、例えばTavares Strachanは二本の割れたビール瓶をきれいに陳列した作品で、それぞれの割れた破片が対象にならべてあり、細かい仕事に驚かされた。また、このギャラリーは『見本市』の中では少し違う印象を受けたものの、目立っていた事は確かだ!
その後会場を後にして、来週行われるオークションの下見のため『Phillips』へ、先日取り上げたヴォルフガング・ティルマンスがオークションデビューである。