Nature

先日少し触れた25日よりChelsea Art Museumで、今注目を浴びる若手作家Sissiの展覧会が始まりました。今回の展覧会は、Chelsea Art Museumが若手作家を取り上げる、短期間に行われる企画で、彼女の新作のインスタレーションと、10年に渡り続くダイアリー&ドローイングの展示です。新作のインスタレーションは、カラフルなスポンジをつなぎ合わせて制作された、花のつぼみや自然物の構造を思わす作品で、オープニングレセプションでは、彼女自身がインスタレーションの中央に立ち、パフォーマンスを行っていました。会場からは彼女の足だけが、つぼみの中から降り立っているかのようにも見え、何か食虫植物にでも食べられてしまったかのようでもあります。作品に使われているのは、とても人工的な、いかにも食べられない色のスポンジで、華やかにも見えますが、とても気色の悪い物にも見えて来ます。しかしながら、作品を見ているうちにどこか引きつけられ、自分の時間軸が彼女の時間軸に入って行くような不思議な感覚を覚えました。
他に、ダイアリーは、彼女が日記のように書くという物とは違い、日々、彼女が感じ得た『何か』をそこに移し、描いたかのような物で、とても見応えがあり、感受性豊かさ、線の描写には、新鮮さがあります。同様にドローイングは、インスタレーションと通じる物があり、彼女自身が『ネイチャー』の中に入って行き、そこでフュージョンされた『ネイチャー』を描き移したかのようです。
実際、彼女の作品を見て、今後を見て行きたい好きな作家になりました。実はなんとか話そうと試みたのですが、パフォーマンスを行っていて、何を言っても知らんぷりでした。話をしてみたい作家です。その後、カタログを見ていると、カタログに一枚の写真が掲載されていて、それは彼女の作品をイタリア・ボローニャにあるアトリエで展示しているのですが、、、、アトリエの壁面になんとルネサンス期の物と見られるテンペラ画が、、、何とも羨ましいというか、信じがたい環境で制作をしているようです。